【書評】臣女
2018年 01月 08日
「夫の浮気を知った妻は、身体がどんどん巨大化していった。絶望感と罪悪感に苛まれながら、夫は異形のものと化していく妻を世間の目から隠して懸命に介護する。しかし、大量の食料を必要とし、大量の排泄を続ける妻の存在はいつしか隠しきれなくなり、夫はひとつの決断を迫られることに——」(本書解説より)
という“恋愛小説”で、自身の不貞により生じた男と女の齟齬、溝のようなものを、“身体がどんどん巨大化していく妻”とそれをなすすべなく見守る夫というファンタジーで表現したその着想はとても面白い。
そして結論からいうと、二人はその溝を超えることが出来なかった。そのラストシーンが美しい。
とはいえちょっと長すぎると思う。中盤、飽きた。ここまで延々と妻の排泄の話とか、巨大化していく妻のあれこれを描かなくてもいいかと。書く必要あるのかな。
by 2525komakoma
| 2018-01-08 21:55
| 書評・映画
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